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泣ける映画まとめ

泣ける映画のみをまとめてみました。

『マグニフィセント・セブン』 オリジナルをリスペクトしつつ活劇とかっこよさに徹底した快作! おもしろかったよ

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いろいろと観ている映画の感想。やっぱ早めに書いた方がいいですね。
ということで今週観たばかりの評判の『マグニフィセント・セブン』。観たかった、これ。
でも、ユナイテッド豊島園の22時半から始まるというレイトは、さすがに私を含めてお客さんが5人!

それはともかくですよ。もうこれはたまらん! 2時間13分、ひたすら堪能しました。
そうそう、これぞ昔から愛していた西部劇です。マカロニも楽しんだけれど、こっちはその要素も若干入れつつも、まっとうに正統派の西部劇。
たまりにたまっていたストレスとか、実生活のトラブルとか精神的な圧迫とか(と書くとそんなのばっかりみたいです、まあ、いつものことで、それなりにこなしています)、この徹底アクションと、義のために命を賭して戦う男たち(プラスほぼ紅一点のヘイリー・ベネット! やっぱりあの『ガール・オン・ザ・トレイン』の魅力満開はダテではなかった。この荒野の未亡人役のなんと色っぽくてキュートなことか)の活劇で解消されました。

この映画自体のクオリティがバツグンなのですが、それはそれとしてやはり元ネタである黒澤明の『七人の侍』、そしてリメイクした『荒野の七人』(最初のやつ)がいかによく出来ていておもしろかったか。このことを改めてひしひしと思い出させてくれる。

ところで余談だけど、シナリオ・センターの研修科時代に、東宝の文芸部長をしていた先生からいろいろと黒澤監督のことを聞いた。
先生がおっしゃるには、この傑作時代劇のリメイク権をハリウッドに売ったのだけど、当時はあまりそういう事例がなく、東宝もどう対応していいか手探りだった。
向こうから提示された原作化権料の高額さに大喜びした東宝は、あっさりと契約書にサインをしてしまったそうだ。
そこで黒澤さんや脚本家にきちんと了解を得たのかどうかは知らない。

ところが、膨大な書類の片隅に「retake」(だったと思う)の単語が入っているのに気付かなった。なにせほとんど初経験だったために、アメリカの契約書風習に対応ができなかったのだ。
その結果どういうことになったか?
一作だけでなく、一度買いとった権利で、延々と続編を作ってもいいという許可を与えてしまったのだ。
かくして『荒野の七人』は次々と出がらし感たっぷりの続編が3作もできた。(今回のパンフの裏表紙にその4作のDVDの広告が出ている)
第1作目を観て当時の黒澤さんらがどういう思いだったのか? それは知らないし黒澤さんも語っていない。
ただ、これは想像できるけど、その後の続編に関しては忸怩たる思いだったと思う。

ちなみにセルジオ・レオーネ+クリント・イーストウッドによる傑作マカロニウエスタン『荒野の用心棒』は、リメイク権もとらずに勝手に作られてしまって(ようするに盗作)、これはさすがに東宝が訴えて権利料を獲得したそうです。(製作者側はそれを払っても、数十倍の利益を得るヒットだった)


『マグニフィセント・セブン』に話を戻すと、これのリメイク権がどうなっているのかはまったく知りません。
そんなことは関係なく、この映画はちゃんと黒澤版やユル・ブリンナー版をきちんとリスペクト、オマージュしていて、じわじわと感情を高めていく。
それも黒澤版の長尺部分のエッセンスを巧みに抽出して、現代感覚もしっかりと取り入れた作りにしている。

大きく違うのは、悪人側の作りと上記の紅一点のヘイリー嬢のウエイトでしょう。
黒澤版はほとんど守る側のドラマで、襲ってくる山賊側は描かれていない。(それでもあの長尺さと、退屈させずに運ぶのは改めてすごい)
こっちはピーター・サースガード演じる悪人ぶりが、気持ちいいくらいに徹している。だからこそ、こいつを倒さなくてはという気にさせる。
さらにオリジナルにあった緩急の緩むところ、恋愛要素とかもそぎ落として、戦いのために突き進む。

それでもってデンゼル・ワシントン(なんと彼が志村喬!)の腕を見せる(定番なんだけど)酒場のガンファイト!
それからクリス・ブラッドのギャンブラーぶり(ちゃんと後で効いてくる)だったり、イーサン・ホークイ・ビョンホンの名コンビぶりなどなど。
彼らのチームワークさが次第に強まる過程と、そしていよいよ襲いかかる敵、立ち向かう七人と村人たちの決戦。

こういう映画はもう理屈なんていらない。乗らないと損。
楽しかった! エンドクレジットのあの音楽なんて、泣きそうでした。